昨日ピアニスト辻井伸行氏の母、辻井いつ子氏による「こうしてわが子を育ててきた」の特別講演を聞きに行ってきました。いつ子さんの子育て観については、多数の本を出版されていますし、金スマをはじめ多くのTVで語ってこられているので、ここでは割愛させていただきます。
そこで、私が一番心に残ったことは、あるコンクールの会場で息子さんが、周りのライバルたちの親は子供の演奏が終わると子供に怒っている光景を聞いて…「どうして他のお母さんはあんなに怖いの?僕は、お母さんがピアノを弾けなくてよかったよ。僕もあんな風にぐちゃぐちゃ言われていたらきっとやめてたよ」と言ったそうです。
天才ならではの発言で、これって、『勉強』に置き換えることができます(その前に、自分を顧みました 笑)。お母さんは常に自分のものさしで判断し、そして先を見て「わが子にこの橋を渡らせない!」ようにと子供を誘導しています。実はここが問題なのです。自分のものさしで、「勉強しなさい」とか「こんなこともわからないの?」「勉強しなかったら〇〇中に落ちるわよ」などと言ってしまっているのです。何でも知っているお母さんがまるで預言者のように「こうしなかったらあんな風になるのよ」と子供に言うと、それを聞いた子供はどう思うでしょう? 知っていても知らないふり。気づいてないふり。そうすることで、子供はのびのびと自分で取り組む。あーでもない、こうでもないと試行錯誤を繰り返しながら。時間はかかるかもしれないけれど…。それが後に、大きな結果だったり、成長につながっていく。伸行さんの言葉は核心をついていて、本質的な部分を言っているなと思いました。
第二部は、メインテーマ「子供を愛おしく思う~Make Japan great again」をうけ、トークセッション。パネラーの方々は
〇致知出版社『母』編集者の藤尾佳子氏
〇『日経トップリーダー』編集長の北方雅人氏
進行役に古賀敦子氏。 自らの経験をもとに子育て中に大切にすべきことなどを中心にディスカッションが行われました。その話の中で、お母さんの声掛けが大事だということ、そして子供は必ず肯定した方がいいなどがあがってきました。
個人的には、話しの中で北方氏が、1000人以上の経営者の取材経験をもとに出版された「絶対肯定の子育て~世に名を残す人は、親がすごい」に出てくる色んな経営者のエピソードが一番興味深くおもしろかったです。私も塾経営者を取材してきて、その人なりを知るときに、生い立ちや親がどう関わってきたのかをよく聞いていました。これは塾選びや受験サポートのヒヤリングのときにもお子様との関わりあいについておうかがいします。
三つ子の魂百まで。雀百まで踊り忘れずのことわざがあるように、どのように育ったのか、親がどのような考え方なのかが人格形成に大きな影響を与えるので、この点はとても重要だと認識しています。現在子育て中の藤尾さんが「国は女性も働きなさいと言っているけれど、人間が生まれてくるのはお母さんからであって、そのお母さんの果たす役割は大きい」。そして、お母さんがどんな言葉をもっているかで、自分自身の(困難が起こった時の)乗り越え方やあるいは子供との関わり方がちがってくると、おっしゃっていました。
やっぱりお母さんってすごい!んです。母親業は素晴らしいのです。天才をつくるのはお母さましだい。どうか未来をつくるこどもたちのために、一人でも多くの『天才の母』が増えていくことを願うばかりです。そのためにもお母さんはストレスをためずに、不安を抱えないで…、ぜひ歩和茶庵に来てください。解決の糸口や突破口に出会えますよ。