間もなく9月入学について政府から発表があると思いますが、この数か月間、様々な情報が飛び交いました。5年計画策や現状通りの4月入学のままか?…… 幼稚園から大学生まで連動しているので一筋縄ではいきませんよね。
私はこの「9月入学」の話しが浮上してから一度もブログで取り上げたことはありませんでした。しかし、今日は私の考えを書かせていただきたいなと思います。少し長くなります。ひょっとしたら言葉足らずで誤解を生むかもしれませんがご容赦くださいませ。
私は初めてこの言葉を聞いた時に正直焦りました。何故なら息子は高校3年生ですし、歩和茶庵で中学受験をメインにした展開をしています。また、これから中学受験を控えているご家庭の方は「どうするのだろう?不安だろうな」と思いました。そして、変更になったら様々なところで影響もするし、同時に、「もし我が家が中学受験を控え、小6だったら、小5ったら…」と来る日も来る日も考え、家族とも話をしました。
早期から、塾の先生、塾のコンサルの先生、私学の先生、教育関係者…、可能な限り多くの方にお話を伺い、情報収集を行っていました。もちろん、息子と同じ学校に通うお母さんからママ友まで幅広い声を聞きました。
そんななかで、最初の頃に9月入学を強く押していたある教育評論家の方には大いに不信感を抱きました。長くなりましたが、経緯はざっとこんな感じです。
個人的な意見を申しますと、息子は私学に通わせていて休校当初から、課題が出されていましたし、4月からはオンライン学習があり、すでに新学期が始まっていました。ですから、新学期が始まっていない?、9月入学?…どういうこと? 突如現れ、なぜ「9月入学」に至ったのか?、理解に苦しんだのです。ところで、学校(主に公立)はなぜ新学期を始めていなかったのでしょうか?動きが遅すぎますよね。なのに、そこを咎めることがなくいきなり「9月入学」とは、ちょっと乱暴だなと思いました。
受験学年である私たちにしてみれば、9月入学になったら1年半も高3です。或いは、このまま3月に卒業したとしても半年間入学待ち。例えば1年半高3だったとしたら(一番費用がかかるので)、5カ月分の授業料ならびに教育費(塾代など)は誰が保障してくださるのでしょうか?さらに、18年間3月で卒業と想定し子育てをしてきた人生計画。これもまた修正を余儀なくされます。
「私学に行かせているのだからそれはあなたたちで責任を取るのは当たり前」という意見を言う人もいらっしゃると思いますが、それはあまりにも非情すぎます。
例えば、百歩譲って、公立等が一生懸命取り組んだが、結果追いつかずというプロセスがあるのならば、私たちも受け止めなければなりません。一部、公立でも動いておられた学校や先生方もいらっしゃるかもしれませんが、全体として「対応できていなかった」のが一つの事実としてあります。
一方、9月入学の賛成意見を聞いていると、「4月入学は日本だけで世界標準に合わせられる」とか「グローバル化だから」「寒いときの受験はインフルに罹る確率が高いから」と言ったものです。
私は今年9月入学にするのは反対です。来年からも?ですし、5年計画策も疑問点が大いにあります。もし、仮に、9月入学にするのであれば、計画と準備万端の上で行う必要がありますし、国民の意見を十分聞いて、緻密な計画のもとというのが大条件です。それをクリアしていれば9月入学でもいいと思いますが…。
昨日、私が尊敬する大前研一氏のメルマガで9月入学に関しての記事が書かれてあって、氏は「9月入学と留学は切り離して議論すべき」だと主張していました。また、
・来年4月入学の予定を立てている人にとってみれば、急に9月入学と言われても困る場合もあるはず
・延長期間を含めた17ヶ月分の授業をどのように国は消化させるのか?
と書いてあり、この部分で意見を述べてくださった方は初めてで、嬉しくなりました。
そうです。4月から新学期が始まって、懸命に生きてきた私たちには擁護がなくて、漸く代弁してくださったのです。
9月入学も、4月入学もそれぞれの意見や考えがあると思います。いずれにしろ、間もなく方向性が出されると思うのですが、政治的パフォーマンスや大人の利益だけで決まらないことを祈るばかりです。子供たちファーストで進めてほしいのが一番の願いです。全員が納得することにはならないと思いますがそれでもやっぱり子供たちを主体にした議論。それにしても、9月入学の話しの前に、もっと議論や検討しないといけないことがあったのではないでしょうか?
最後まで読んでくださってありがとうございました。とにかく今は粛々と生きるしかないと思っています。